公正証書の作成手続き

離婚、遺言、金銭消費貸借、債務弁済、任意後見、その他

離婚の公正証書 > 子供の親権/監護権


子供の親権/監護権

親権とは、父母が未成年の子供に対してもっている、身分上・財産上の保護・監督・教育・管理を内容とする包括的な権利及び義務の総称です。
本来は、親権にすべてが含まれますが、便宜上、財産管理権と身上監護権に分け、前者を「親権」、後者を「監護権」として取り決める場合があります。

▲ページのTOPへ戻る

親権の内容

未成年の子供がいる夫婦が離婚届を提出する場合、親権者が定められていなければ、離婚届は受理されません。(民法第819条)
離婚前の親権は、共同親権として、両親が共同して行使しますが、離婚後の親権は、いずれか一方しか定めることは出来ません。
子供が複数いる場合には、それぞれの子供について親権を定める必要があります。
親権には「何歳までは母、何歳以降は父」などというような条件を付することは出来ません。
なお、法律上の親権が無くても「親子の絆」が喪失する訳ではありません。
非親権者にも、親としての養育義務や面会交流権、および相続権などがあります。

親権の内容には、大きく分けて以下の2つがあります。

身上監護権(監護権 財産管理権
子供の教育や懲戒・職業の許可、など、身の回りの世話をする権利のことです。 子供の財産を管理したり、法定代理人として契約などの法律行為を行う権利のことです。
・教育権 ・契約の同意権
・懲戒権 ・契約の取消権
・職業許可権 ・法定代理権
・居住指定権 ・子供の財産の管理権
(保存・利用・改良)

通常は親権者となった一方の親が身上監護権と財産管理権を行使しますが、場合によっては、これを別々に分けることも出来ます。

親権の争いで協議が付かない場合などに、これらを分離して一方が親権者、一方が監護者、と定める方法が利用されています。
この場合、離婚届に記載する親権者は、財産管理者を記載します。
また、あとでトラブルとならないよう、公正証書にきちんと明記しておくことが賢明です。

▲ページのTOPへ戻る

親権者の指定・変更

当事者間の協議で親権者が定まらない場合には、家庭裁判所へ離婚調停(夫婦関係調整調停)の申立を行い、調停または審判によって親権者を決定することになります。
この場合、家庭裁判所が判断する最大の基準は「子供の福祉」です。
どちらが子供の生活や成長にとってより良いものであるかということです。
決して経済力だけの問題ではありません。
一般には、「母子優先の原則」といって、10歳未満の子供は母親と一緒に暮らすことの方が子供の福祉にかなうと判断されます。
また、兄弟姉妹がいる場合は、「兄弟不分離の原則」といって、一緒に暮らすことが子の福祉に適しているお考えられています。
家庭裁判所が親権者を決める際の判断材料としては、以下のようなものがあります。

(1)監護能力・心身の健全性
重大な病気を患っていたりしていないか?
精神上の疾患はないか?
(2)経済的基盤
子供の養育に対する経済的支障はないか?
浪費や多額な借金など、経済的破綻のおそれはないか?
(3)生活環境
居住環境や家庭環境、教育環境などに問題はないか?
現時点で暮らしている環境になじんでいるか?
環境を変えても順応出来るか?
(4)子供への愛情・子育ての意欲
子供を育てる意思・意欲はあるか?
子供に対する愛情はあるか?
(5)子供の年齢
子供が9歳~10歳位までは、原則として母親が面倒を見る方が良い
10歳から15歳くらいまでは、心身の成長・発育に応じ、子供の意思も尊重する
15歳以上の子供には、本人の意見を聞き、判断材料とする

親権者の変更

離婚時は父母間の協議において親権者を定めることが出来ますが、一度決めた親権者を変更したい場合は、家庭裁判所の専権事項であり、当事者間で予め定めることは出来ません。
仮に両親の間で合意があったとしても無効であり、家庭裁判所に親権変更の調停または審判の申立をしなければなりません。
その場合、親権者が変わり、生活環境が変わること自体、子供の福祉上良いことではありませんから、子供にとって変更すべき理由が必要です。
最終的には、家庭裁判所が、子の福祉など一切の事情を考慮して、変更すべきか否か、および親権者を誰にするかを判断して決定することになります。

そして、審判によって決定が出されるにも、

▲ページのTOPへ戻る


 >>慰謝料に関する詳細はこちら

 >>財産分与に関する詳細はこちら

 >>養育費に関する詳細はこちら

 >>親権者/監護者に関する詳細はこちら

 >>面会交流権に関する詳細はこちら

 >>年金分割に関する詳細はこちら


▲ページのTOPへ戻る


面会交流権

面会交流権とは、監護・教育しない側の親が、その子と親子の面会交流する権利のことをいいます。
※以前は「面接交渉権」といってました。
定期的に直接会って接触することや、誕生日やクリスマス、入学、運動会をはじめ、その他、宿泊・旅行その他のイベントなどは、子の健全な養育のためにも必要なものです。
ただし、面会によって子供が精神的に動揺して情緒不安定になったりするおそれがある場合には、認められません。
公正証書においては、面会交流に関する記載や定めが無くても作成することが可能です。
しかし、面会交流しないという合意については、特段の事情説明をしない限り、公証人に拒否される可能性がありますのでご注意ください。

欧米では、離婚後も共同親権であることが大半なので、面会交流も週2回~3回などが当然になっているそうです。
しかし、日本では、そんなに簡単ではありません。
養育する側が面会交流を拒んだ場合、争っても面会交流の機会は月1回を定めるのが限界のようです。
また、面会拒絶された場合、これに対して直接強制する手段はありません。
民事執行法に基づく間接強制という方法があり、例えば、公正証書調停などで定めたにもかかわらず、養育する側が正当な理由なく面会交流を拒絶した場合、拒絶1回につき罰金20万円、などという執行をすることが出来ます。
ただし、一方の養育する側拒否する場合に、これを強制することは、養育者を精神的・経済的に追い込むことにもなり、養育者を精神的・経済的に追い込むことは、そのまま子供の養育環境へも悪い影響を与える恐れがあります。

▲ページのTOPへ戻る


 >>慰謝料に関する詳細はこちら

 >>財産分与に関する詳細はこちら

 >>養育費に関する詳細はこちら

 >>親権者/監護者に関する詳細はこちら

 >>面会交流権に関する詳細はこちら

 >>年金分割に関する詳細はこちら


▲ページのTOPへ戻る